お知らせ

2017年9月12日

第五回 株式会社サンポウ 想いの俳句コンテスト 入選句紹介

選者紹介 中里 麦外 (俳人)前橋市生まれ

〈 略歴 〉

  • 言霊俳句会主宰
  • 現代俳句協会新人賞、現代俳句協会評論賞
  • 上毛出版文化賞等受賞
  • 上毛新聞俳壇選者  群馬県現代俳句協会顧問
  • 群馬医療福祉大学名誉教授

最優秀賞

茄子の牛に 跨り 幼子は帰る

伊勢崎市 堀川 甲子雄

【評】「茄子の牛」とは、祖霊迎えのイニシエーションとして用いられたもの。しかしここでは、早逝した子どもが今年もまたその茄子の牛に跨って帰ってくるというのだ。
その切なさ。

金賞

父のせし ことをしてをり 年用意

静岡県伊豆市 中野 清彦

【評】墓参りをしたいが、雪が深くてできない。雪解を待ってようやく思いを果たすことができたのだ。

銀賞

雪解を 待ちわびて今日 墓参り

福島県いわき市 堀川 卓郎

【評】墓参りをしたいが、雪が深くてできない。雪解を待ってようやく思いを果たすことができたのだ。

銅賞

墓参り 戦死の父の 顔知らず

伊勢崎市 小川 正男

【評】戦死の父は、吾が子の顔を見ることなく出征したのであろう。だからその父は、こころの中の父として永遠に生きつづける。


寿陵墓を 夫婦で洗ふ 秋彼岸

神奈川県横浜市 中澤 仁捷

【評】倶会一処の墓を造り、それを二人して洗い清める。そうすることで、おのずから心の平安がもたらされたのであろう。


手を合わす 間は聞こえぬ 蝉時雨

大阪府堺市 山野 大輔

【評】集中すると外界の情報は一時的に遮断される。それを無という内生世界の誕生といってもいい。


墓参り 制服姿を 見てもらう

島根県安来市 角森 玲子

【評】入学式の制服姿のまま墓参りをしたのであろう。故人のよろこびは計り知れない。

会長賞

父もまた 学びし校舎 百日紅

前橋市 長谷川 いづみ

社長賞

十人を 育てし妣の 墓洗ふ

高崎市 廣岡 敏彦

上毛新聞社賞

遠き日の 無骨な父と 萩の月

渋川市  大山 芳子

特別奨励賞

蟷螂と 共に拝んだ 祖父の墓

藤岡市  今野 涼人


手を伸ばし 届かぬ亡父の 夏銀河

東京都江東区 長峯 雄平


桜見て 祖母のおにぎり 思い出す

大分県大分市 岩本 梨沙